2010年02月05日

SMCでマーク

精神科の病院を再開業するにあたって、開業ツールの依頼を受けました。個人病院なので小さな病院です。しばらく体調を崩されてお休みしておられたのですが、体調が回復したので再スタートを切ることになったそうです。
以前、開業されていたときに、すでにロゴマークなどはお持ちでした(以前のものは私のデザインではありません)。ですが今回心機一転、まるっと変えたいとのこと。何度かお話させていただきましたが、先生自体にイメージがこれといってなく、最初お会いした時は「海と椰子の木のイメージ」と言っていたのが、次にお会いした時には、名前の頭文字をとって「IBM」のマークと同じで…なんて感じです。
とりあえず依頼内容に沿った形のものを作りました。
SMCでマーク


でも、これだと精神科っていうより…だし、
そもそも「IBM」の真似だし…。
かたい冷たい感じだし…。ふぅ…。
こうゆう仕事は、実はテンションが下がる。
せっかく関わってやらせていただく仕事だし、もっといい仕事をしたい。
なので勝手に精神科の病院イメージということでイメージを膨らませて、「頭文字をとって作る」という部分だけはデザイン条件を生かして、別案を作って持って行きました。

一つは、精神科に来る患者さんの頭の中を考え、ぐるぐると思考が定まらない感じかなぁ?と。そのぐるぐる感を形にしたようなデザインで作ったものです。
オーソドックスな手法なので、押さえ案として作りました。
SMCでマーク


もう一つは、頭文字の最初の「S」と「心=ハート」の形をもじった中に、「S」「M」「C」の3つの頭文字を、それぞれ目と口に見立てて顔のような位置に配置したマーク案を作りました。この案が、自分の中でオススメ案です。
SMCでマーク


打ち合わせ日の2月2日、最初に依頼されていた「IBM」もどきのもだけを見せました。
先生は、それで十分に気に入っていたのですが、別の案を作って持ってきましたとお見せすると「えっ?」と驚かれました。
でも、見ていただいたら「こっちの方がいいねぇ。この方が精神科って見て分かる。」とおっしゃり、あっさり別案で持って行ったものに決まりました。
決まったのは、自分の中でオススメ案だったものが先生も気に入ってくださいました。
ロゴを見て初めて「20代、30代の女性の患者さんが多い。いや、以前開業していたときは多かったから。」とか、制作に入る前にうち合わせしたときには、お話を伺っても出てこなかったロゴ制作のキーワードになる言葉が、出来上がってからポンポン出てきました(苦笑)。
でも、いいんです。言葉が出ない先生の顔や心情を読み取った(つもりの)私の予想が外れていなかったから。
こうゆう流れになると、嬉しい展開です。

そして打ち合わせ終わりには、「いやぁ、ありがとう。」と先生から笑顔と一緒に嬉しい一言も。
こうなるともう、デザイナー冥利につきる仕事です。この仕事をさせていただいて、こちらこそ良かったな…と思います。



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